OpenTypeの文字組みに関する記事を修正しました【6/12】

公開日: : 最終更新日:2014/07/05 DTP関係

コメント欄に、work014様より設定に関する追記を頂戴いたしました(2014/06/13 8:04 AM)。本文を読み終えた皆様は是非お目通しください。

20140610_01

この記事は、6月10日にアップした「OpenTypeフォントの文字詰めを簡単に整える設定方法」を修正した記事です。公開時点から、大幅な修正を加えております。パーマリンクは変更していないため、既に貼られたリンクが閲覧不能になることはありませんのでご安心ください。

修正前の記事はこちらをご覧ください。(pdf/2.4MB)
今回の修正をする直前の状態ですので、アップ当時の状態ではありません。

修正の経緯

6月11日

記事をアップした翌日(11日)、コメント欄から、お二方にご指摘をいただきました。
1件目は深沢 幸治郎様。「本文部分はベタ組みで組むべき。可読性の問題から、不用意に詰めるのは強い違和感を覚える。」ということをご指摘いただきました。また、深沢様からは参考リンクをご紹介いただきました。
「亮月写植室|ベタ組みではダメなの?」

2件目はworks014様より。まず組版を理解できていないとご指摘いただきました。その際、同時に「プロポーショナルメトリクスを使用するなら、併せて「自動」カーニングを使用するべき」とご教授いただきました。

この2件を受けて、1回目の修正を加えました。

6月12日

昨日(11日)の修正をご覧になられたworks014様より、修正内容の削除要望を頂戴しました。添付した画像が、私の理解不足からデフォルトの状態から単純に「プロポーショナルメトリクス:オン」「カーニング:自動」にしただけのもので、不適切であったためです。またその後、works014様のご厚情により、適切なツメが施されたサンプルを頂戴いたしました。そのデータを元に構成し直したのが本記事です。ページ最下部のコメント欄にお二人とのやり取りが記録されておりますので、良ければそちらもご覧ください。

本文

修正前

まずは、修正前に私がアップしていた設定サンプルです。

20140612_01
201406122_08

設定内容は以下3点。

  • アキを挿入(左/上)をベタに
  • アキを挿入(右/下)をベタに
  • プロポーショナルメトリクスをオンに

「文字組みアキ量設定」はデフォルトの設定のまま、全く触れていませんでした。

頂戴した設定サンプル

以下3点が、works014様に頂戴した設定サンプルです。本文はベタ組みが良いが、ツメをする必要があるならば、という前提でご紹介いただきました。

 

設定サンプル1

20140612_02

20140612_03

 

設定サンプル2

20140612_04

20140612_05

 

設定サンプル3

20140612_06

20140612_07
 

上記3点ともに、文字パネル内「カーニング:自動」、Opentypeパネル内「プロポーショナルメトリクス:オン」という2つの設定以外は、書式タブ内「文字組みアキ量設定」の設定のみとのことです。「修正前」見出しに掲載したデフォルト状態のパネルから、各項目を詳細に設定されているのが分かります。概要として、

  • たとえツメ設定であっても、約物の前後は空けるべき
  • 行長や和欧混植の程度によっては調整箇所が限られてくるので、3種類の設定を作っている

とコメントをいただきました。

上記を見比べると、1・2・3の順に、約物のアキが徐々に詰まっているのが分かります。また「文字組みアキ量設定」内、「行中設定」項目の「最適」値が順に下がっているのが確認できます。印刷媒体レイアウト時のテキストボックスを組めるサイズ(行長)の制約、また和文、欧文の混植具合によって使い分ける、と私は理解しました。約物のツメ、Illustratorでの文字組みの考え方については、申し訳ありませんが以下リンクをご覧ください。こちらもworks014様よりご紹介いただいたリンクです。サイト内ではIllustratorとInDesign間での組版の差異、また長文を組んだ時の善し悪しについても言及されています。

なんでやねんDTP
文字組版演算の基本
「ベタ組み」について…少しだけ…
「ベタ組(み)」アンケート結果
Illustratorの文字組みアキ量設定について
Illustratorの文字組みアキ量設定の優先度

また、InDesign用/Illustrator用の「文字組みアキ量設定ファイル」をダウンロードできるページ(及びその解説)もご教授いただきました。
+DESIGNING 2013年11月号(vol.34)すぐに使える!文字組みアキ量設定

 

 

今回の件で、自分の不勉強さと未熟さを改めて痛感しました。私の無知さが元で害悪となる情報を世に出してしまいました。ただ、誤った情報を垂れ流し続けるところを、お二人のご指摘によって公開2日目で修正することができました。最初にご指摘くださった深沢様、懇切丁寧にご教授くださいましたworks014様に改めて厚く御礼申し上げるとともに、今回の件でお騒がせした皆様、混乱させてしまった皆様には深くお詫び申し上げます。


ad

関連記事

記事はありませんでした

ad

Comment

  1. はじめまして。デザイナーをしている者です。見出しはよいのですが、本文部分の役物のアキや英字のアキまで詰めてしまっているのは強い違和感を覚えます。

    字を全体として眺める「絵面」として考えるならこれくらい詰めのもよいのでしょうが可読性を鑑みると、本文はベタ組みは原則と私は考えます。

    参考:
    「亮月写植室|ベタ組みではダメなの?」
    http://ryougetsu.net/report_dtpw.html

    • daiyasu0512 より:

      はじめまして。ご指摘ありがとうございます。記事を追記という形で修正いたします。
      現状、画像は1行20文字程度で組んでいるのですが、より「可読性」を意識できる様、
      ご指摘いただいた件に関する追記においては、1行40文字程度のものを添付いたします。

      ありがとうございました。

  2. works014 より:

    はじめまして。私は写植時代から組版を生業としている者のです。
    記事を拝見させていただきましたが、失礼ながら、
    Illustratorの組版/文字組み関係の設定全般について理解不足と感じます。

    何故、文字の設定ばかりで段落の設定はされないんですか?
    「アキを挿入」の「ベタ」の意味をご存じでしょうか?
    句読点や括弧類が抱えているアキの役割を考えたことがありますか?
    一般的な書籍などがどのようなルールで組まれているかご存じですか?
    禁則は「強い禁則」のようですが、意識的にその設定をご使用されていますか?
    この状態で行頭行末揃えをした際にどのように調整されるか理解されていますか?
    「文字組みアキ量設定」が何のためにあるのか理解されていますか?
    等々と疑問が沸々と湧いてきて、残念な記事というしかありません。
    この記事を信じて無残な組版が氾濫するとはあまり思いませんが……

    もう少し勉強されてから、情報発信された方が賢明かと思い、
    老婆心からコメントを入れさせていただきました。
    お気を悪くされると思いますが、今一度、初心に立ち返ってくださることを期待します。

    蛇足:OpenType機能の「プロポーショナルメトリクス」をONにするなら、併せて
    「自動」カーニングを使用すべきですね。書体に設定されているペアカーニングが有効になります。

    • daiyasu0512 より:

      はじめまして。ご指摘ありがとうございます。正直に申しまして、私の完全な勉強不足・理解不足でした。
      タイトルや煽る様な中見出しを含め、追記として修正させていただきます。
      また、蛇足としてご指摘いただいたカーニングの修正も追加させていただきます。

      ありがとうございました。

  3. daiyasu0512 より:

    深沢様、works014様、コメントありがとうございました。修正が完了しましたので、コメント欄で恐縮ですがご報告いたします。追記内容から更にご指摘がありましたら、ご面倒をおかけいたしますがご教授ください。改めて追記させていただきます。

  4. works014 より:

    私はあのような設定を推奨した憶えはございませんので、削除願います。
    貴方の方法は、設定の意味を理解せず、とりあえずこれをやっておけば大丈夫というもの、私の疑問にも何ら応えるものではありません。ここまでのご理解であれば残念です。
    ひとつだけお聞かせ願えますか? 何のためにツメルのですか?

    • daiyasu0512 より:

      大変失礼いたしました。該当部分を削除いたしました。
      「プロポーショナルメトリクスを使用するなら、併せて「自動」カーニングを使用するべき」というコメントを頂戴したという内容は、
      このブログをご覧になられた方のために残しているのですが、問題がありましたらworks014様からのご指摘部分を全て削除いたします。
      何のためにツメルのか、という件についてですが、業務上値組などを組むことが多く、
      その中には役物(%など)や数字と和文(0,000円など)が点在するため、ブツブツと分断されることを解消するためにツメを入れることがあります。
      それが常態化し、いつの間にかそれが普通のことと思い込んでおりました。
      今回ご指摘いただき、改めて自分の不勉強さを身に沁みて感じました。文字組のことを勉強し直します。

  5. works014 より:

    追記します:文字サイズ、行長、行送りさえお知らせいただければ、こちらの設定で組んだ画像をアップしますよ。

    • daiyasu0512 より:

      お申し出ありがとうございます。
      大変厚かましいのですが、勉強させていただけますでしょうか。

      フォント=ヒラギノ角ゴ Pro W3、文字サイズ=15pt、行長=570pt、行送り=26.25pt(デフォルト)

      以上の設定で組んでおります。お忙しい中申し訳ありません。
      いつになっても結構です。お手隙の時にお願いできればと思います。

  6. works014 より:

    大安さま

    ツメ組みの場合の組み見本を以下にアップしました。
    1つ目は貴方の設定。2~4つ目は私が+designingさんの頁で公開しているウチの3種類のツメ組み用の「文字組みアキ量設定」を適用した結果。
    自動カーニング+OpenTypeのプロポーショナルメトリクスを設定する以外は「文字組みアキ量設定」を変更しているだけです。
    ※本文はベタ組みがイイと思いますが、ツメルなら…
    ↓ DLお願いします(CS6)。
    https://dl.dropboxusercontent.com/u/35403173/kumi-mihon_01.ai.zip

  7. works014 より:

    大安様
    失礼、CS5をお使いのようですね…ならば、以下を…

    https://dl.dropboxusercontent.com/u/35403173/kumi-mihon_01_CS5.ai.zip

    • daiyasu0512 より:

      ご丁寧にありがとうございます。大変勉強になります。

      重ねて厚かましいお願いなのですが、お送りいただきましたデータ、
      本ページにアップさせていただけないでしょうか。
      誤った情報をそのまま掲載しておくのは大変心苦しく、お許しがいただけましたら
      「文字組みアキ量設定」パネルの画像とともにアップしたいと思います。
      その際、本ページ内容はタイトル含め大きく修正いたします。

      また、その際、正しい情報をお届けするという意味で
      貴サイトへのリンクも掲載したいのですが、
      ご許可いただけないでしょうか。

      どうぞよろしくお願いいたします。

  8. works014 より:

    大安さま 
    「文字組みアキ量設定」を云々ということは、貴方の「ベタ/ベタ」の設定を根本から否定することになりますよ。
    そこの辺りはご理解いただいていますか?

    「文字組みアキ量設定」や各種のカーニング、ベタ組みなどについては拙ブログに書き散らかしていますのでご参照ください。
    他、参考になるのは…
    下記の+designingさんの頁からダウンロードされる「解説」ファイル(ダウンロードできる設定の解説)。
    http://www.plus-designing.jp/pd/pd34/mjk/pd34_mjk.html

    • daiyasu0512 より:

      works014様

      お忙しい中お返事ありがとうございます。
      根本から否定という件、理解しております。
      ですので、
      「現状の記事内容を削除(別途pdfリンクを貼り、修正前の記事を確認できるように)」、
      「頂戴したデータ3種のご紹介(ツメル必要があるなら、という前提で)」、
      「ご紹介いただいたリンクを配置」という構成にしたいと考えております。
      この構成で、「以前の記事は間違った設定で、正しいのはこちら」という流れを、
      見ていただいた方にスムーズにご理解いただけるかと考えます。

      よろしくお願いいたします。

  9. works014 より:

    追記しておきます…
    【拙ブログの主な関連頁】
    文字組版演算の基本→ http://d.hatena.ne.jp/works014/20100609
    「ベタ組み」について…少しだけ…→ http://d.hatena.ne.jp/works014/20120919
    「ベタ組(み)」アンケート結果→ http://d.hatena.ne.jp/works014/20140402
    「Illustratorの文字組みアキ量設定について」→ http://d.hatena.ne.jp/works014/20130412
    「Illustratorの文字組みアキ量設定の優先度」→ http://d.hatena.ne.jp/works014/20110622

    • daiyasu0512 より:

      本当にご丁寧にありがとうございます。
      お忙しい中申し訳ありません。
      記事の修正は夜になってしまいますが、
      頂戴したデータ、使用させていただきます。

      よろしくお願いいたします。

  10. works014 より:

    大安さま
    承知しました。
    内容が気になるところではありますが、
    あの3種の差を理解していただければ大丈夫でしょう(アップ後、誤解があればまた…)。
    基本的な考え方としては、(ツメ組みでも)約物類にはある程度のアキがあった方が読みやすい…けれども行長や和欧混植の程度によっては調整箇所が限られてくるので、3種類の設定を作っている…という感じです。

    • daiyasu0512 より:

      ありがとうございます。
      頂戴した3種は、d→fの順に、行中約物のツメ最適値を広→狭に設定されており、
      適応させるテキスト内容や行長によって使い分ける…という理解で良いでしょうか。

      またアップいたしましたらご連絡いたします。直メールは失礼かと思いますので
      コメント欄になってしまいますが、よろしくお願いいたします。

  11. daiyasu0512 より:

    works014様

    遅くなりましたが、修正が完了いたしました。追加で修正が必要な場合は、大変お手数ですが該当箇所をお教え願えますでしょうか。お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

  12. works014 より:

    大安さま  
    おはようございます。

    概ねご理解に間違いはありませんが、私の説明不足を補っておきます。
    ——
    以下は、その組み上がりに微妙な影響を及ぼす段落パネルの重要な設定項目ですので、実際にはその検討も必要です。
    ●コンポーザーは「日本語単数行コンポーザー」を使用していますが、例文のような折り返し改行位置に欧文がかかるような和欧混植では「日本語段落コンポーザー」の使用も有効です。例えば、私の設定を使用した1例目・2例目では改行位置が変更されて、行毎のバラつきが緩和されます。
    ※一般的には「日本語単数行コンポーザー」が推奨されています(デフォルトがどちらであるかは失念しました。InDesignは「段落」の方ですが…)。
    ●禁則処理はデフォルトの「強い禁則」を使用していますが、私は「弱い禁則」を推奨しています(クライアントとの合意が必要かもしれません)。
    ※作例では特に変化はありません。
    ●禁則調整方式もデフォルトの「追い込み優先」を使用しています。ツメ組みでは妥当な選択だと思います。
    ●他には「ぶら下がり」の有無がありますが、ツメ組みでは「なし」でいいですね。
    ——
    記事の構成がややこしくなるかと思いますので、ここに残すのみでもイイかと思います。

    突然の異論に対する真摯なご対応ありがとうございました。
    「文字組みアキ量設定」は、あくまでも設定例として各自の方がカスタマイズされることを期待します。

    文字組みの例に限らず、各種の設定がどのような意味をもつのかということを理解しないと適切な表現への道は遠いというしかありません。

    今後ともよろしくお願いいたします。

    • daiyasu0512 より:

      works014様

      この度はお忙しい中、ご丁寧にご教授いただき本当にありがとうございました。今回頂戴したコメント、大変勉強になる内容ですのでページ上部にアラートだけ入れさせていただきます。
      ご迷惑をおかけした皆様には大変申し訳ないのですが、今回の件で自分の無学を知ることができ、今後勉強していく方向性が見えたこと、大変感謝しております。貴ブログを含め色々な文献を読み、文字組に関して精進していきたいと思います。ありがとうございました。

  13. 大安さま、お疲れ様でした。おかげさまでこのエントリが後から読む人にとって、有益なものになったと思います。私もworks014さんと大安さまとのやりとりを見ながら、とても勉強になりました。感謝いたします。

  14. daiyasu0512 より:

    深沢様
    温かいお言葉とお心遣いありがとうございます。元の内容を読まれた方にも、修正後の内容をご覧いただけることを強く望みます。お二方のご指摘のおかげで修正することができました。本当にありがとうございました。

  15. 読点を詰めるのはまあいいですけど、句点の後は詰めたくないです。(※個人の意見です)

    • daiyasu0512 より:

      大熊様
      コメントありがとうございます。句点の後はツメずに一文の区切りを明確にした方が良い、といった意味合いでしょうか。貴重なご意見ありがとうございます。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

PAGE TOP ↑